ビル改修コラム

ビル改修・大規模修繕で工事の安全を確保する足場の落下防止棚「朝顔」

ビル改修・大規模修繕で工事の安全を確保する足場の落下防止棚「朝顔」
ビル改修やマンションの大規模修繕工事は、建物の寿命を延ばし、機能性と安全性を維持することで資産価値を守り、さらに向上させるための重要な工事です。これらの工事を円滑かつ安全に進めるためには、足場工事が不可欠となりますが、その際に設置が義務付けられている安全設備が「朝顔(あさがお)」と呼ばれる落下防止棚です。
「朝顔」とは、工事現場の上方から万が一、資材や工具などが落下した場合に、下の通行人や周辺環境に危害が及ぶのを防ぐために、足場の外側へ斜め上向きに張り出すように設置する防護棚のことです。その形状が植物の朝顔に似ていることから名付けられました。
この防護柵は、大規模修繕やビル改修を行う際の第三者の安全確保において、最も基本的かつ重要な安全対策の一つです。
工事の安全性に関係する「朝顔」の種類
落下防止棚「朝顔」
「朝顔」は、その素材と特性に応じて主に以下の3種類に分けられ、ビル改修や大規模修繕の規模や環境によって使い分けられます。
①鋼製朝顔(標準的な仕様)
【特徴】
鋼(鉄)でできており、強度と耐久性に優れています。専用部材を使わず、単管と足場板で構成できるため、コストパフォーマンスが高い点が利点です。
【どんな場合で適しているか?】
住民が居住しながら行うマンション大規模修繕など、歩行者の出入りが多い箇所で標準的に使用されます。

②アルミ朝顔(高強度・軽量仕様)
【特徴】
アルミニウム製で軽量かつ耐食性に優れます。専用部材を使用するため、他の種類よりも高額になりますが、屋上などへの荷上げ時にも折りたたみが可能です。
【どんな場合で適しているか?】
新築工事や大規模なビル改修(改築)など、より高いスペックが求められる現場で採用されます。

③シート朝顔(簡易・衝撃吸収仕様)
【特徴】
布やビニール、メッシュシートなどで作られ、軽量で衝撃吸収性に優れています。設置や撤去が容易で、メッシュ状のものは風圧に対する安全性も高まります。
【どんな場合で適しているか?】
工具や小さな資材など、比較的軽量なものが落下する可能性がある現場で特に効果的です。風が抜ける朝顔なので強風対策にもなります。

サンウォールの標準仕様は網製朝顔です。アルミやシートの朝顔はリース品となり高額です。
その分の費用がお客様へ乗ってくるため見栄え優先の朝顔はご提案しておりません。
設置して数か月後に解体するものにコストを掛けてもお客様に向の還元もありません。その分、建物にコストを掛けた方がメリットがあると思っています。
お客様に最も有責な工事を提案するについては、こちらをご確認ください。
「大規模修繕」・「ビル改修」における「朝顔」設置の基準と義務
「朝顔」の設置は、労働安全衛生規則や建設基準法施行令に基づき義務付けられています。これは、ビル改修や大規模修繕を施工する事業者だけでなく、工事現場周辺に住む人々や、建物のオーナー様自身の安全と安心を確保するための法的な要件です。
具体的には、工事現場の周囲に落下物による危害が及ぶ可能性がある場合、国土交通大臣が定める基準に従った危害防止措置を講じる必要があります。
設置条件の例: 足場の高さが10メートル以上で1段、20メートル以上で2段の設置が求められるなど、高さ、長さ(2メートル以上)、角度(20度以上)などが細かく規定されています。
安全対策の徹底が「資産価値」を守る
サンウォール侵入防止パネル
大規模修繕やビル改修は、単に工事を完了させることだけでなく、工事期間中の安全管理にかかっています。
「朝顔」の設置に代表される安全対策を徹底することは、無事故での工事完了に繋がり、結果として所有する建物の長期的な資産価値の維持・向上に貢献します。
建物の安全性と資産価値に関わる大規模修繕・ビル改修をご検討の際は、安全基準を遵守した信頼できる施工会社に相談することが重要です。