ビル改修コラム

改修工事、大規模修繕工事着工後に追加費用!?

改修工事、大規模修繕工事着工後に追加費用!?
自社ビル・収益ビルは、安全・快適に利用するために、定期的に改修工事を行う必要があります。また、生活環境の変化に応じた大規模修繕工事を行うことで、ビルの収益性を向上させる必要もあります。
大規模改修・修繕工事を行うには、費用が掛かります。ビルのオーナーは、前もって大規模改修・修繕工事を計画し、費用を準備しておく必要があります。
実際に大規模改修・修繕工事を行う際は、修繕・改修にかかる概算費用の見積りが施工業者より事前に提示されます。
その概算費用は、ビルの劣化状況が見積り通りの状況であった場合の金額です。
実際に大規模改修・修繕工事を着工した後で、想定外の状況や不具合が発見され、追加費用が発生することがあります。
ここでは、追加費用が発生する原因についてご説明します。
外壁の下地部分で劣化が激しい箇所が多かった場合
外壁の下地部分で劣化が激しい箇所が多かった場合
改修工事、大規模修繕工事の外壁に関する見積りは、外部からの目視確認や、1階部分の調査で行われることがほとんどです。
上階部分にあたる外壁の下地については、1階部分の劣化状況と過去の施工経験値を総合的に判断して見積りが行われます。
着工したところ、下地部分の劣化が想定より激しかった場合は、追加費用が発生することになります。
配管等の劣化は、工事着工後に足場から直接確認することで正確に診断できるようになります。
見積り段階では、築年数や使用状況から計算された修繕費用なのです。
劣化が激しく、将来的な問題が生じる可能性があると判断されると、配管の交換や設備の修繕が必要となり、追加費用が発生します。
日頃から不具合を見逃さず、その都度小さい修繕をしておくことが大切です。
必要なタイルの枚数が増えた場合
必要なタイルの枚数が増えた場合
外壁タイルの修繕・改修にかかる費用は、必要なタイルの枚数から計算されます。
外部からの目視確認や1階廻りの調査のみで行われる見積りでは、大きな劣化しか発見できないことがあります。
着工し、足場を設置した後の外壁調査を経て初めて、外壁タイルの状況を詳細に確認できるようになるため、想定よりも必要なタイルの枚数が多くなる場合があります。
外壁タイルの修繕・改修費用は、外壁調査によって正確な数量が算出される「実数精算方式」で計算するため、補修に必要になったタイルの枚数が増えることで、追加費用が発生します。
工期が延長した場合
工期が延長した場合
足場を仮架設して工事を行う際、足場部材が歩道や道路に跨ぐことがあります。この場合、道路占用料金を諸官庁に事前に納付する必要があります。
上記のように、外壁調査によって工事数量が増え、工期が延長すると、延長した分の道路占用料金を追加で納付することになるため、費用が発生します。
また、電線に防護管を設置している場合や、仮設組立事務所、仮設トイレを設置している場合も同様に追加費用が発生します。
災害が発生して修繕箇所が増えた場合
改修工事、大規模修繕工事中に、地震や台風などの災害が発生することがあります。災害により、破損個所が増えてしまった場合、その修繕分として追加費用が発生します。
台風に関しては、時期をずらして大規模修繕・改修工事を計画することで回避できますが、異常気象の影響で、予測されない台風に見舞われることもあります。
また、昨今では地震の発生が多くなっています。地震の予測は難しく、計画時に回避することは難しいでしょう。
災害による追加費用は、保険の適用も検討対象とし、ビルオーナー様と施工業者間で協議するようにしましょう。