ビル改修コラム

安易な大規模修繕工事先延ばしは危険!建物調査診断で不安を解消

安易な大規模修繕工事先延ばしは危険!建物調査診断で不安を解消
マンション・ビルの品質維持に大切な大規模修繕工事ですが、2回目、3回目と回数を重ねていくごとに資金不足に直面し、頭を悩ませている管理組合・ビルオーナーも多いのではないでしょうか?
修繕積立金不足で十分な工事資金が集まらない、工事価格の高騰で計画通りに修繕工事が進まないなど、資金問題と長期修繕計画は切っても切れない関係であり、十分な資金が用意できずに大規模修繕工事を延期せざるを得ない状況になる場合もあるかもしれません。
しかし、周辺環境や生活状況によって建物の劣化状態は異なるため、大規模修繕工事の周期を無条件に延ばしてしまうのは大きなリスクを伴う危険性があります。
調査が不十分な状態で工事時期を先送りした結果、マンション・ビルの劣化の進行が早まり、将来的に改修費用が増えてしまう可能性も。
大規模修繕工事の適切な周期・時期を調べるには「建物調査診断」を行うことが大切です。
今回は、大規模修繕工事を先延ばしにする場合の注意点と、建物調査診断の重要性について考えてみましょう。
大規模修繕工事を先延ばしすることで生じるリスク
大規模修繕工事を先延ばしすることで生じるリスク
①安全性の問題
建物の老朽化や構造上の問題が放置されると、安全性に懸念が生じ事故発生に繋がる危険性があります。外壁タイルの剥落事故、壁や天井からの漏水、エレベーターの故障などが発生するリスクがあるため注意が必要です。

②資産価値の低下
適切な時期に修繕工事を行わないと、建物の外観や設備の劣化が早まり、資産価値の低下から将来的な売却や賃貸の際に不利な状況になる可能性があります。

③コストの増加
大規模修繕工事を調査不十分のまま先延ばしにすると、劣化状況が悪化し、修復にかかる費用が増える恐れがあります。
また、緊急の修繕が必要になった場合、急な支出が発生し、修繕積立金が不足してしまうケースも。

これらのリスクを考慮すると、マンション・ビルの大規模修繕工事をただやみくもに先延ばしにすることは望ましくありません。
定期的なメンテナンスや修繕計画の策定、積立金の管理など、建物の維持管理に対する適切な対策が必要であり、先々までの資金の過不足を予測しながら、「建物調査診断」の結果を踏まえて大規模修繕工事を検討・実施していくことが大切です。
建物調査診断で適切な工事時期を確認
建物調査診断で適切な工事時期を確認
マンション・ビルの劣化状況に応じて必要な修繕工事は変わります。
適切な時期に建物調査診断を実施し、大規模修繕工事の実施時期を見直しましょう。
大規模修繕工事の周期は15年前後に1度ですが、建物調査診断を5年~10年周期で行うことで、次回の大規模修繕工事で先延ばし可能な工事とそうでない工事を検討し、経済性を考慮しながら修繕計画を立てることが可能になります。
また、建物調査診断は信頼性の高い判断材料になります。
建物調査診断に基づき、マンション・ビルの状態を把握し、長期的な修繕計画を立てていくことが、マンション・ビルの資産価値を維持し続ける土台づくりに繋がります。