ビル改修コラム

ビル改修の費用と周期で知っておくべきこと3選

ビル改修の費用と周期で知っておくべきこと3選
商業ビルやオフィスビルは新築後から劣化が始まり、ビルとしての資産価値は改修・修繕などのメンテナンスをしないとどんどん下がります。
そこで、改修工事や大規模修繕工事を定期的に行うことで資産価値を維持・向上することができます。(もちろん、賃料も下がりにくくなりますね)
このコラムでは、商業ビル・オフィスビルの資産価値を下げないための改修工事、大規模修繕工事を行う周期と、どのくらいの予算を掛ければ良いのか等、ビルオーナー様(不動産会社、管理会社)なら常に頭の中にある疑問について書きました。
ビルの資産価値を下げないためにご参考にしてください。
改修工事、大規模修繕工事で収益改善へ
収益ビルや自社ビルの改修工事、大規模修繕工事は収益改善につながるとても重要な工事です。
築年数とともに収益ビル、自社ビルの老朽化が進めば、漏水や外壁の落下事故などの危険性も考えられます。
テナントさんや近隣への損害はビルオーナー様の責任になるため、このようなトラブルが起こらないようにビル改修で耐久性と安全性を維持・向上していくことが大切です。
また、美観を意識した改修工事、大規模修繕工事を行えば、テナントさんの満足度を上げ、自社ビルのイメージアップにもなります。
ビルオーナー様がビル改修について正しい知識を持ち、適切な改修工事、大規模修繕工事の周期計画を立てることで、余計な修繕費用の削減や収益改善に繋がり、将来的には資金ショートを回避できることになります。
そのために知っておくべき3つのことをご紹介します。
改修工事、大規模修繕工事の費用の目安
収益ビルや自社ビルの改修工事、大規模修繕工事の費用は、工事の内容によって異なります。
国土交通省の大規模修繕工事に関する実態調査から割り出した大規模修繕費用の相場は、マンションの場合1室当たり100万円~という計算になります。
大規模修繕工事の場合、相場としてはビルでもマンションでも、同規模の建物でしたらおおよそ同じくらいの金額になります。
外壁意匠工事や石張り工事などビルの外観を変更するようなビル改修を行う場合、マンションと同規模の建物でも1割~2割程度高くなります。
ただし、建物の規模の違いや、ビル改修の工事内容や使う建材によって、金額に差が生じます。
例えば、高品質な建材を使えばコストが上がりますが、耐久性が高くなるため計画周期が延び、長い目で見ればコストが削減でき、収益改善につながります。
劣化診断結果から改修箇所を検討する
劣化診断結果から改修箇所を検討する
ビルの改修工事や大規模修繕工事は、建物全てを工事するわけではありません。
工事を行う箇所は、経過年数やそのときの建物の状態によって変わります。
改修工事、大規模修繕工事の費用の概算を出すためには、建物の現状を知り、「どこを修繕すべきか」をしっかりと見極める必要があります。適切なビル改修、大規模修繕が収益改善への近道になるため、ビル改修のプロによるビルの劣化診断結果から改修箇所を検討すべきでしょう。
ビル改修は修繕場所や工事内容によって費用も異なります。
都内の10階建て以下で各フロア100㎡程度一般的な収益ビルの改修、大規模修繕の内容と費用目安は、屋上や外壁などの改修工事が1,000万円~、給排水の更新工事が500万円~、空調設備の改修工事が500万円~となっています。
計画は適切な場所を適切な時期に
収益ビルや自社ビルの改修工事、大規模修繕工事の計画を立てるには、まず、ビル改修の専門家に建物の劣化診断を依頼し、その診断結果から改修工事、大規模修繕工事を行う適切な周期を割り出すことがポイントとなります。
その指針となるのが長期修繕計画作成ガイドラインです。これまで、ビルなどの建物の改修工事、大規模修繕工事は、以前の国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインに記載されていた12年周期が一般的と考えられていました。
しかし、令和3年9月改正の同ガイドラインでは、計画期間は30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回以上含まれる期間となりましたので、収益ビル、自社ビルの規模に関係なく改修工事、大規模修繕工事の適正周期は12~15年が目安と言えるでしょう。
改修工事、大規模修繕工事は、ただ繰り返しビルをメンテナンスすればよいということではなく、適切な箇所を適切な時期に実施し、かつ定期的に行うことが重要です。
これは収益ビル、自社ビルを常によい状態に保つことになり、入居率を安定させ、収益改善に繋がります。